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ステージに向かうエネルギーはどこから来るのか?

〜50歳から輝くステージ演劇WS2日目〜

じっくり挑戦演劇ワークショップ宮城の会場2日目のレポート。参加者のモチベーションの高さ、弾けるようなエネルギーに圧倒される2日間でした。(書き手:及川多香子/PLAY!ARTせんだい)

· ワークショップ,報告,演劇

PLAY ART!せんだい(以下PAS)の今年のメイン事業である50歳から輝くステージ演劇ワークショップは、9月末に開催されたフィオナ・ミラー(英国)さんによる開催に続き、日本人アーティストのファシリテートによる仙台市内4区でのワークショップが始まりました。先日、宮城野会場は11/19に第二日目が終わり、残るは太白区、若林区、泉区の3区での開催です。

これまで3回の実施をしてきて強く実感していることは、参加者のみなさんの演劇をしたい!表現したい!自分をもっと解放したい!という強いモチベーションです。それはポジティブな状態からの欲求だけではありません。最近、辛いことがあった、家族に反対されても大きな決心をした、別れの悲しみがあった。そういった心情を打ち明けてくださる方も少なくありません。

そういった状態の時こそ、演劇に携わりたい!と思い、応募してくださることが主催としても大変嬉しく、またワークショップ中の表現にも大きな影響を与えていているのです。正直、これを作品化したら一体どんなすごいものができてしまうのか?と想像するだけで身震いがするほどです。

そして私だけでなく、日本チームのメンバーである、西海石みかささん、大河原準介さんらアーティストたちも同じ想いを持っています。

宮城野会場の2日目のワークショップでは、西海石みかささんによる身体と心をほぐすワークをした後、フィオナさんのワークショップでも行っていたワークをやってみました。自分にとっての「よろこび」と「こわいこと」という両極端な言葉を様々なシチュエーションで言ってみるというものです。

「よろこび」というテーマで聞こえてきたセリフは、「今日ここに来れたこと!」「主人と過ごす時間」「家族が増えると分かったとき」「花をみているとき」「24時間100%の自由」など。

「こわいこと」というテーマでは「香港のデモの行方」「暗闇に取り残されること」「年金がもらえないかもしれないこと」などのワードが出て来ました。

ファシリテーターの大河原準介さんによって、このワードを発言するという状況に様々なバリエーションが加えられます。

はじめは、ぐるぐると歩きながら自分の好きなタイミングで、次に大河原さんに肩を叩かれたら言ってみる。右肩を叩かれたらよろこびを、左肩の時はこわいことを。

参加者はぐるぐると会場を歩き回りながら「愛を感じるとき」「朝、偶然むすこと会ったこと」「暗闇に取り残されること」と浮かんだワードを言いながら、言葉を自分の中に染み込ませていきます。

回数を重ねるごとに、発せらせる言葉が洗練されていくように聞こえます。

準介さんは言います。「頭に浮かんだことを実際に声に出して言ってみると、あれ?本当にそうかな?と思う時もあります。それでもいいんです。フィクションでもいい。言ってみると違う、という違いに気がつくことも面白さなんです」

最後のワークでは、客席とステージにエリアを分けてみました。

ステージ側にはいくつかの椅子を用意します。

その対面に客席を作り、参加者は全員そちらに座ってからスタートします。

「自分のタイミングで、言葉を言いたいと思ったら、こちら(ステージ)に出て来て言ってください。椅子に座ってもいいし、立っていてもいい。戻りたいと思ったタイミングでまた客席側に戻ってください」

大河原さんは、会場の照明を少し暗くして、雰囲気を作ります。ピアノの旋律のBGMをかけて、ワークがスタートします。

一瞬静まり返る会場、1人、2人と様々なタイミングで、立ち上がり、ステージに向かい、客席に向き直り、喜びを言い(もしくはこわいこと)去っていきます。

誰も演出していないのに、出て来るテンポ感、立って、発言する、去る、座る、というシンプルな動きの多彩なバリエーション、そして何かを悟るような表情に、観ている側はどんどん引き込まれていきます。

それはまるで、みなさんの長い人生の物語を観ているようでした。

ワークが終わると、自然と拍手が湧き起こりました。

参加者のみなさんの表情も、なんとも言えない高揚感と充実感に満ちています。

ワークショップの終わりには、2日間の感想を伺いました。

「最後のワークでは、みなさんのパフォーマンスに浸ってしまって、なかなか自分がステージに出ていけませんでした。味わっていました、それくらい、みなさんが素晴らしくて、もっと観ていたいって思いました」

「最近辛いことがあり、落ち込んだまま参加しましたが、何か自分が少し解放されるような、気持ちが少し癒されるようなそんなふうに思いました」

「カタルシスを感じました、いますごく落ち着いた気持ちです」

 

みなさんの感想を聞いていると、PASが理念としている「文化芸術資源をもっと社会に活かす」ことの可能性をひしひしと感じます。演劇の深く、優しく、人々を受け止めて次のステージに促すという、柔軟なパワーを、この2日間で目の当たりにすることができました。

PASの旅はまだまだ続きます。次回は太白区会場である、あすと長町市営住宅集会所でのワークショップです。

そんな方々に出会い、物語を観せていただけるのか、楽しみでなりません。

 

レポートをどうぞお楽しみに!

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